【年金制度改正法案】将来の基礎年金水準の底上げに向けた新たな仕組みが盛り込まれました
【前回までのおさらい】
令和7年5月16日に国会へ提出された年金制度改正法案(正式名称:「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」)について、注目すべき改正ポイントを以下のコラムでご紹介してきました。
🔗【前編】社会保険加入対象拡大のポイント
🔗【後編】在職老齢年金制度見直しのポイント
年金改正法案の修正と衆院可決
2025年5月30日、衆議院本会議にて「年金制度改正法案」が可決されました。
今回の可決では、「将来の基礎年金の給付水準の底上げ」に関する修正が新たに盛り込まれています(※画像の赤字部分をご参照ください)。
この修正は、将来の基礎年金の水準が著しく低下するおそれがある場合に、厚生年金と同じタイミングでマクロ経済スライドによる調整を終了させるという仕組みを設けるものです。
これにより、公的年金制度の所得再分配機能を維持しながら、基礎年金の水準を下支えする効果が期待されています。
また、この調整により年金全体の給付額が結果的に減ってしまう場合には、その影響を緩和するための措置も検討されることとなっています。

まとめ:今後の動向に注目
改正法案の詳細は、厚生労働省の資料にて公開されています。
参議院での審議もありますが、今後の施行スケジュールや実務への影響によっては、企業の労務管理にも関係してくる可能性が高いので、引き続き注視していきます。
参考資料