令和8年4月改定 雇用保険料率(引き下げ)

令和8年4月から、雇用保険料率が引き下げになります。
社会保険料率の改定、子ども・子育て支援金のスタートと重なり、今年度は給与計算の変更点が多い年度です。

雇用保険料率がどう変わるの?

厚生労働省のリーフレット(令和8年度 雇用保険料率のご案内)によると、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの雇用保険料率は以下のとおりです。

【一般の事業の場合】

令和7年度令和8年度
労働者負担(従業員)5.5/1,000(0.55%)5/1,000(0.50%)
事業主負担(会社)9/1,000(0.90%)8.5/1,000(0.85%)
合計(雇用保険料率)14.5/1,000(1.45%)13.5/1,000(1.35%)

農林水産・清酒製造の事業、建設の事業については料率が異なります。
詳細は厚生労働省リーフレットをご確認ください。

今回の引き下げは失業等給付等の保険料率について、労働者負担・事業主負担ともに5/1,000に変更になります。
雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)は、引き続き3.5/1,000です。

【実務ポイント①】いつの給与から新しい料率を使う?

雇用保険料率は令和8年4月1日に改定されますが、給与への反映タイミングについては、徴収法第32条において雇用保険料は「賃金を支払う際に控除する」ものとされており、厚生労働省の年度更新手引きでは「4月1日以降に支払い義務が確定した賃金から新料率を適用する」とされています。

「賃金の支払い義務が確定する時期」は実務上、その賃金計算期間の締切日と考えて運用されることが一般的です。
そのため、4月1日以降に締切日が到来する給与・賞与から、新しい料率で計算します。

具体的な例は次のとおりです。

締日支給日適用する料率
3月31日締め4月支給旧料率
4月15日締め4月25日支給新料率
4月末締め5月支給新料率

⚠️ 「4月支給の給与=新料率」とは限りません。締日が3月中であれば旧料率のままです。
自社の締日を必ず確認してください。

なお、この考え方は社会保険料(翌月徴収/当月徴収の月単位で判断)とは異なる点にご注意ください。

【実務ポイント②】年度更新でも「料率の使い分け」に注意

雇用保険料は、毎年6月1日〜7月10日に労働保険の年度更新(申告・納付)を行います。

令和8年度の年度更新では、確定保険料と概算保険料で使う料率が異なります

  • 令和7年度の確定保険料旧料率(令和7年度の料率)で計算
  • 令和8年度の概算保険料新料率(令和8年度の料率)で計算

同じ申告書の中で2つの料率を使い分けることになるため、間違えやすいポイントです。
年度更新の時期に改めてご確認ください。

【実務ポイント③】給与計算ソフト・システムの設定確認を

給与計算ソフトやシステムをご利用の場合は、料率が自動で更新されるかどうか、ご利用のシステムを必ずご確認ください。

クラウド型システムの場合は自動で料率が更新されることもありますが、システムによって対応が異なります。
また、インストール型の場合は手動での設定変更やアップデートが必要になるケースが多いです。

いずれの場合も、新料率を適用する給与計算の前に、設定が正しく反映されているかを必ず確認することをお勧めします。
設定の反映漏れがあると、全従業員の給与計算に誤りが生じ、後から差額を調整する手間が発生します。

まとめ:今すぐ確認しておきたいこと

確認事項ポイント
新料率の適用開始4月1日以降に締日が到来する給与・賞与から
一般の事業の従業員負担5.5/1,000 → 5/1,000 に引き下げ
一般の事業の事業主負担9/1,000 → 8.5/1,000 に引き下げ
農林水産・清酒製造・建設の事業料率が異なるため厚労省リーフレットで確認
年度更新確定→旧料率、概算→新料率で使い分け
給与計算ソフト・システム料率が正しく反映されているか必ず確認

令和8年度は保険料の変更が重なっています。
給与計算への反映漏れや、適用時期の誤りにご注意ください。

なお、社会保険料率および子ども・子育て支援金についても別記事で解説しておりますので、あわせてご確認ください。

ご不明な点はお気軽にご相談ください。

参考: